英語の学習方法として「多聴多読」というものがあります。
たくさん英語を読んで、たくさん英語を聞くという方法です。
古くから英語力がつく方法と言われており、多読用の教材、多聴用の教材が販売されています。
英語の本を読んだり、海外ドラマ・映画を観るという方法もあります。

ですが、この多聴多読には「効果なし」という声があります。
この記事では、なぜ多聴多読が効果なしと感じてしまうのか、その理由について解説します。

本当に多聴多読が有効な英語の勉強方法なのか、効果なしだと感じないためのコツなどを知りたい人は参考にして下さい。

多聴多読に効果がない理由

たくさん英語を聞き、たくさん英語を読むことで英語力がアップすると信じている人は意外と多いです。
そんな人の意見を聞いて多聴多読をしてみても、まったく英語ができるようにならないことがあります。
多聴多読に効果を感じないという理由は、主に以下の5つです。

・単語を知らない
・文法を理解していない
・発音を理解していない
・聞き流すだけで理解していない
・自分の英語力に合っていない

なぜこの5つなのか説明します。

単語を知らない
本に書かれている単語や、聞いても理解できない単語が登場したとします。
知らない単語に出会ってしまったときに、調べずに読んだり聞いたりして理解できれば良いです。
しかし、1単語どころか2~3単語以上わからないとなると、文章の意味が理解できません。
そもそも単語を知らないというのは、多聴多読に向いていません。
そのまま多聴多読をしても、効果がないということになってしまいます。
意味不明な単語の羅列を眺めたり、聞いているだけだからです。
いちいち辞書で調べて意味を確認していると、非常に時間がかかってしまい効率が悪いです。
時間がかかるのでモチベーションの維持も難しく、負担が大きいです。

文法を理解していない
単語を知っていても文法を理解していないと、本当の意味を理解することができません。
英語は文法というルールに従って書かれ、話されています。
単語の意味だけを覚え、基本的な文法知識がないと理解するのに時間がかかります。
なぜ単語が特定の場所に使われているのかがわからず、単語の意味だけで文章を理解しようとするからです。
配置が変わると意味が変わる単語も多くあります。
そのまま多聴多読をしていても、全く違う意味で理解してしまうことがあります。
単語を使うためのルールを知っておかなければ、多聴多読をしてもほぼ意味はありません。

発音を理解していない
英語を知らない日本人が、英語の正しい発音を知っているわけがありません。
基本的な英語の発音や単語の発音を知らなければ、聞いても認識できません。
意味不明な音、雑音でしかないのです。
何を話しているのかを理解できる程度の単語・文法の知識と、発音の知識が合わさって聞き取れるようになります。
理解できない音を聞き続けても、英語を理解できるようにはなりません。
聞き流しの教材やドラマの聞き流しなどの勉強方法がありますが、初心者には向いていないのです。

聞き流すだけで理解していない
ある程度の単語や文法の知識があり、発音の勉強もしたという人も効果がでないことがあります。
それは、ただ聞き流しているだけで全く頭を使っていない場合です。
理解できる話だったとしても、意識して聞かないと内容を覚えることができません。
これは日本語でも同様のはずです。
例えばドライブ中にラジオをBGMのように流し続けても、DJの言っていることをすべて理解出来ないのと同様です。
きちんと理解しようとすると、ある程度は耳を傾けて頭を使わなければなりません。
(そんなことをしたら運転が疎かになるので危険ですよね)
聞き流しといっても、本当にただ流しているだけでは無意味になってしまうのです。

自分の英語力に合っていない
単語や文法、発音の知識があっても、自分の英語力以上の文章を多聴多読するのは難易度が高すぎます。
自分の単語や文法、発音の知識が文章のレベルに至っていないので、理解できないというパターンです。
また、難しい業界用語や専門知識が必要な話題だと理解できません。
歴史や医学、科学など専門知識がないと理解できないことは世の中に多々あります。
日本語でも理解できない話題を、英語で理解できるわけがありません。
話題に対する知識的・文化的な背景の理解が多聴多読には必要になるのです。

以上のことが、多聴多読をしても効果がない理由です。

多聴多読の効果

ここまで、多聴多読の効果がない理由を説明してきました。
ひょっとして多聴多読は無意味なのではないか?と思う人もいると思います。
ですが、多聴多読にもちゃんと効果があります。

・英語の長文や長いスピーチに慣れることができる
・記憶を定着させることができる

どういうことか順番に説明します。

英文に慣れる
たくさん英語を読んだり聞いたりすることで、英語の長文に慣れることができます。
慣れると読み聞きして理解する速度が上がります。
すばやく英文を理解できるようになるので、重要な情報をすぐに見つけられるようになります。
これまで覚えてきた単語や文法の意味、発音の変化などを、瞬間的に引き出して理解できるようになるわけです。
溜め込んだ知識をすばやく取り出す事ができるようになるということです。

記憶を定着させる
たくさんの英語を読み聞きすることで、覚えた単語、文法、音に何度も「再会」することができます。
新しい言語を習得するには、短期間で5回~15回程度繰り返し同じ言葉を見聞きする必要があります。
以前に見聞きしている単語や言い回しを別の機会で発見すると、記憶が繋がって定着します。
多聴多読によって以前に見聞きした言葉に何度も再会することができます。
ゆっくり意味を理解しながら読むよりも、再会する回数が短期間で多くなり覚えることができます。
逆に言えば、よく知らない単語はたくさん見聞きしても定着しません。

多聴多読には上記のような2つの効果があります。

多聴をする時のコツ

多聴をする時にどのようなことに気をつけたら良いのかを説明します。
多聴は、あくまでも清聴をして、正しい発音を理解した上で行うことが大切です。
単語・文法・発音がよくわからないままたくさん聞いても、雑音にしかなりません。
英文がどんな内容で、単語がどんな使われ方をしていて、どんな発音になっているか理解できる文章をたくさん聞いて下さい。
そのため、自分の英語力と同じか、やや低めの方が理解しやすいです。
清聴と多聴を組み合わせて下さい。

受験やTOEIC等が目的であれば、問題にでてくる英文をたくさん聞くようにして下さい。
目的に合わせて理解を深めていくほうが効率が良いです。

多聴のために、洋楽をたくさん聞く人がいます。
全く間違いというわけではありませんが、スラングが多く一般的な英語ではないことがあります。
実際に使うと失礼になって嫌がられたり、誤解を生む可能性があります。
実用的な部分もありますが、初心者にその使い分けは難しいです。
また、言葉のスピードも早く難易度が非常に高いです。

多聴用の教材を使うと、解説等もあるため理解が深まりやすいです。
他には、海外ドラマやYoutubeでネイティブの動画をみることも有効です。
映像があるので理解しやすいです。
また、NHKのラジオやテレビで英語を聞くのも効果的です。

ただし、どんな内容なのかを意識して聞くことが大切です。
ただ聞き流しているだけで勉強した気持ちになってしまうのが、多聴にありがちな失敗です。
BGMにするのではなく、勉強するという気持ちを持って下さい。

多読をする時のコツ

多読をする時にどのようなことに気をつけたら良いのかを説明します。
多読は、あくまでも清読をして、単語と文法を理解した上で行うことが大切です。
よく知らない英語の羅列を眺めていても、読めるようにはなりません。
多聴と同様に、自分の英語力と同じか、やや低めの方が理解しやすいです。
記憶が曖昧だと思うレベルの英文も効果的です。
精読と多読を組み合わせて下さい。

多読は英語をどのような目的で勉強しているのかによって、効率の良い方法が変わります。
例えば、受験やTOEICが目的であれば、問題をたくさん読んだほうが良いです。
趣味が目的であれば、小説、ニュース、新聞、趣味に関わる情報などをネットで探すと良いでしょう。

ただし、意味不明な文章を読むのは自分の英語力に合っていません。
なるべく自分の英語力に合わせて理解しやすい英文を読むようにして下さい。

多読多聴に効果がない理由まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、多聴多読は効果なしという理由をお教えしました。
多聴多読は以下のような理由で効果が出ないことがあります。

・単語を知らない
・文法を理解していない
・発音を理解していない
・聞き流すだけで理解していない
・自分の英語力に合っていない

多聴多読は全く意味がないというわけではなく、中級者以上の人が自分の英語力に合わせれば以下のような効果があります。

・英語の長文や長いスピーチに慣れることができる
・記憶を定着させることができる

多聴多読は単語や文法、発音の理解を深める清聴精読と組み合わせると効果的です。
そして、自分の英語力と目的に合わせて行うと効率が良いです。
受験やTOEICが目的なら、問題をたくさん読み聞きしてください。
趣味等であれば、ドラマ、映画、ラジオ、テレビ、ニュース、新聞、洋書などを活用できます。

くれぐれも意味不明なまま多聴多読をしないで下さい。
特に聞き流しで英語ができるようになると勘違いしている人が多いので注意が必要です。