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現役塾講師からみたセブンプラスバイリンガルのデメリット
この英語教材を使用するにあたってのデメリットはずばり、子供一人では進められないということです。
テキストやCDを使用して進める教材であり、且つ対象年齢が3歳~12歳ということから、親が一緒に見てあげることが必須になります。
そもそも子供は集中力が短く、視界に入ったものにすぐに興味がうつってしまうものです。
特に小学生低学年以下ではCDをセットしたり、該当ページを開くことすらできないもしくは時間がかかるため、たとえ興味があったとしてもすぐに飽きてしまう可能性があります。
「上手くできない」と英語が嫌いになってしまうことだってあります。
高学年だと、英語が好きな子は一人で進めることもできるかもしれませんが、塾や英会話教室のように強制力がないため、かなり自分に厳しく自発的にやろう!という意欲的な子供でない限り継続させることは難しいでしょう。
また、学習方法の最後のステップが音読とあります。
英会話の学習において聞こえた英語を自分の声に出してリピートすることは非常に大切なステップですが、初めはこれが結構難しいです。
やはり一緒にリピートして子供をリードしてあげる人が必要です。
何事も子供が取り組むことに対して、「すごいね~!」「できたね!」と褒めてやる気スイッチを押してあげる人の存在は必要と言えます。
セブンプラスバイリンガルのデメリットを解消する方法
子供と一緒に親も楽しみながら進めていくと良いでしょう。
1日約10分、子供と一緒の時間が取れるということが前提になります。
そしてこの教材に取り組むにあたり、いかに子供に興味を持たせ続けられるかがキーになるでしょう。
親が教材に興味を持ち楽しく前向きに取り組む姿を子供に見せることで、子供も「英語って楽しいんだな」「お母さん(お父さん)が興味あることは自分もやってみたい」と思うはずです。
親が好きなことは子供も好きになります。
その逆もまた然り。
ですので、自分は英語が嫌いで苦手だから、せめて子供には英語が得意になって欲しいという方にはあまりおすすめしません。
特典の1つである、Skype英会話レッスンはネイティブと英語が話せる貴重なチャンスであり、是非とも活用して欲しいところですが、さすがに子供一人でSkypeを起動して一人でネイティブと会話…というのは難しいので、ここでもやはり親の助けが必要になってきます。
その親が、よし!ネイティブと会話しよう!と意欲的でないと、せっかく生きた英語に触れる貴重な機会を自分から逃してしまう、ということになってしまいます。
英語のレベルはあまり高くないけど英語が好き!子供と一緒に自分も学んでいきたい!という方には子供にも良い影響を与えますし、教材もしっかり活用していけるはずです。
ほうっておいても英語ができるようになる、ということは基本ないので、子供の側で楽しく一緒に進めていって欲しいです。
塾講師が考えたセブンプラスバイリンガルを効果的に使う方法
学習の進め方としては、もちろんセブンプラスバイリンガルが勧めている方法で行って欲しいですが、ただ淡々と進めても音は右から左へ、テキストも見ているようで見ていない状態に…これでは子供は面白いとは感じません。
そうならないように、例えばイラスト集ですが、これを見ながらただCDの音を聞いて終わりではなくせっかくカラフルにしてくれているのですから、「この子は何色の服着てる?」「髪が金色でかっこいいね!」「2人はどんなお話してるかな?一緒に聞いてみようね!」など、まずは子供にそのページの状況に興味を持たせ、聞く準備をさせることで集中して音を聞くことができ、より記憶に残りやすくなります。
出来れば親が英語で説明できればベターですが、とにかく子供に興味を持たせ続けることが大切です。
それから、Skypeでネイティブと話せる非常に魅力的な特典についてですが、これは是非余すことなく活用して欲しいです。
ただ、何も準備せず話し始めただけでは25分がおそらく長く感じ、苦痛を感じてしまう可能性があります。
日本人同士でも初めましての相手と25分間トークしろ、と言われても何を話せば良いのか困りますよね。
ですので、事前に話したい内容をある程度決めておくと良いでしょう。
自分の好きなことや週末の予定など、自分が興味あるトピックだとどんどん話したくなりますよね。
是非2、3トピック用意してから会話に臨んで欲しいです。
そして更に特典であるぬりえについてですが、これは非常に活用しやすい教材と言えます。
子供が集中できる時間は年齢+1分と言われており、低年齢であればあるほど短いため、集中力が切れてきたなと感じたらぬりえで一旦リフレッシュさせると良いでしょう。
または、ここまで進めたら最後にぬりえをしようね!とご褒美として活用するのも、子供の集中力を持続させる非常に効果的な方法です。
また、ぬりえをする時にも、”blue””yellow”などと使っている色を親が英語で逐一教えてあげることで、リフレッシュしながらカラーを覚えさせるチャンスにもなります。
たかがぬりえと思うことなかれ、です。
このような教材は、親の進め方によってはつまらなくもなるし、逆に非常に子供の興味を引く質の濃い面白い教材にもなり得ます。
塾講師が暴く!セブンプラスバイリンガルのウソの口コミ
この教材には英語音声のみの聞き流し用CDが付いていますが、聞き流すだけで英語力が伸びたという感想には疑問を感じます。
聞き流すだけで英語力がつくのであれば、バイリンガルどころか世界中の言語を短期間で習得できるでしょう。
確かにCDを聞かせ続けていたら、単語やフレーズを覚えていくことは間違いないですが、それはあくまでインプットであり暗記しただけです。
英語力を上達させるためにインプットをさせることはもちろん必要なステップではあるのですが、ここで終わりだとただ単によく分からない呪文を覚えただけになってしまいます。
この先がとても大切で、覚えた単語やフレーズはどういう意味なのか、どのような場面で使うのかをきちんと解説してあげる必要性があります。
この聞き流しCDは動画を伴うDVDではなく音声のみのCDであるため、使いどころを説明してあげないと結局覚えたところで正しくアウトプットできません。
朝一の挨拶が”Good night”では困りますよね。
実際に声に出して正しく使えてこそ英語力が伸びた、と言えるのです。
聞き流し用CDをかけるだけで精一杯という方は、時間ができた時には是非子供と一緒にイラスト集を開き、覚えた単語やフレーズについて教えてあげると良いでしょう。
セブンプラスバイリンガルの優れていること
等倍速と3倍速の英語音声が聞ける点です。
学習用のCDには等倍速のみのものがほとんどです。
しかしそれが完璧に聞き取れるようになったからと言って真のリスニング力がついたとは言えません。
なぜなら、実際のネイティブたちの話すスピードはもっと早いからです。
CDのようにわざわざゆっくり、しかも一定の早さで喋ってなんてくれません。
等倍速のCDの音が全て聞き取れるくらいのレベルであっても、スピードが上がると途端に聞き取れなくなります。
それはそのスピードに耳が慣れておらず、頭の中で処理が間に合わないからです。
そこでこの3倍速で英語を聞くという練習がそれを可能にしてくれます。
きちんと何と言っているか意味とフレーズを確認した上で、CDを流してみましょう。
この3倍速がびっくりするくらい早いのですが、この早さに慣れると初めはこれでも早いと感じていた等倍速が、ものすごく遅く聞こえます。
つまり、簡単に聞き取れるようになるのです。
3倍速で話すネイティブはなかなかいないので、このスピードに子供のうちから慣れておくと耳がしっかり鍛えられ、学校のリスニング試験での高得点はもちろん、どんなネイティブの話も聞き取れるようになると言っても過言ではありません。
ぶっちゃけセブンプラスバイリンガルは購入すべきか
前述してきた通り、子供向けの英語教材としては申し分ないので、将来英語ができる子になって欲しいと思うのであれば購入をおすすめしたいです。
ただ重要なのは、子供と一緒に取り組む時間があるかどうかです。
英語はできて欲しいけど、仕事に家事にすでに手一杯でこれ以上自分に負担をかけられないという方であれば、宝の持ち腐れになってしまうので購入は見送った方が良いでしょう。
普段忙しくても聞き流し用CDならかけられる、空いた時間に教材を一緒に進められるという意志がしっかりある方なら、コスパも良いのでやってみても良いかもしれません。
椅子に座って机上で集中してやるのが理想的ですが、それが難しくても、車で出かけた時にCDをかけてその時に解説してあげたり、普段の生活の中で教材で覚えたフレーズを親が実際に使ってみせるのも非常に良い方法です。
私の体験ですが、晴れの日は必ず3歳の息子に「今日は良い天気だねー!」”It’s sunny!!”と最初は独り言のように言っていましたが、それを続けていると、ある日息子が雲一つない空を見ながら「あ、今日sunny!!」と言ってくれるようになりました。
sunnyは晴れだということも理解しているようでした。
このように、親次第でやり方は幾十もあるので少しでも子供と一緒に英語学習してみようという気持ちがあるのなら、前向きに検討してみてはいかがでしょうか。